「バーチャルYouTuber/VTuber」が流行語として、ネット流行語大賞 2018でグランプリとなりましたが、実はこのバーチャル(virtual)という英語の意味や考え方について、日本語と英語では反対の意味だって知っていますか?
本投稿では、バーチャル(virtual)とは何かや、virtualの訳を仮想と考えるのは間違いで反対の意味ということを用例を交えてまとめました。virtualの日本語訳が「仮想」とされるようになった歴史についても調べました。
目次で概要をチェック
バーチャル(virtual)とは何?英語を訳すと意味が違う?
「バーチャルYouTuber/VTuber」が流行語として、ネット流行語大賞 2018でグランプリとなりましたが、最近は
- バーチャルリアリティ(VR)
- バーチャルカレンシー(仮想通貨)
- バーチャルYoutuber
- バーチャルオフィス
など「バーチャル」を含んだ言葉を目にする機会が増えてきましたね。
このバーチャルの解釈について、日本と英語圏ではまったく逆の意味であるということを最近知ったので、詳細について調べました。
日本でのバーチャル(virtual)の意味は?
普段、日本で生活する中で日本人は、
virtualの日本語訳を「仮想、仮想的、擬似的。実態を伴わないさま」
として使う人が多いと思いますし、日本ではこの意味で使われることがほとんどだと思います。
例えば、バーチャルマネーと言われたら、仮想的なお金という意味であってるでしょうし。
ただ、バーチャルオフィスについての意味は2つあるようです。
- 入居しなくても住所や電話番号を持ち、郵送物も受け付けてくれるような「あたかもそこに入居しいている」ようなオフィスを構えるサービス
- インターネットシステムの発達で、旧来のようにチーム全員が同じ場所で仕事しなくても、SKYPE、CHATWORK、サイボウズなどのアプリで同じ場所にいなくても、仕事を一緒に進めていけるという意味
どちらも、仮想的な(擬似的な役割の)オフィスという意味では同じですが、意味としては結構な違いがありますね。
実は「バーチャル(virtual)」を「仮想」として訳す使い方は、日本だけで通じる和製英語の解釈で世界的に英語圏では解釈が違うということを、最近知ったので、なぜ今そうなっているのか、実際、英語圏でのvirtualの意味はどういう意味なのか用例も交えて調べました。
英語バーチャル(virtual)の日本訳は何?反対の意味なの?
日本では、バーチャルというコトバは「仮想の」っていう意味の使われ方でよいと思いますが、英語「virtual」の本来の意味について調べました。
英語の「virtual」という言葉の意味を辞書で見ると
- (表面または名目上はそうでないが)事実上の、実質上の、実際の
- (もの)仮の(⇔real)
となっていて、英語の「virtual」には日本語での「仮想」という意味はなく、「事実ではないが、ほとんど事実に近い」といった意味で、反対の意味になっています。
用例を交えて、どう反対なのか見てみましょう。
英語バーチャル(virtual)の用例は?
英語の
He is a virtual manager.
について、考えてみましょう。
※managerは支配人や監督、マネージャーという意味がありますが、今回は支配人として進めます
日本では
彼は仮想的な、擬似的な支配人である。
という風にイメージしてしまいませんか?
彼は実際に支配人じゃないけども、擬似的な支配人としてその役割を与えられている、的な捉え方をして日本では問題ないと思います。日本では、ね。
ただ、上記の英語を日本語に訳すと
彼は、ほぼ間違いなく事実上の支配人である。
という意味になります。
日常の英語圏での会話で使うvirtualは、
”厳密に本当かと言われたら断言できないけど、ほぼ間違いなく”とか、”本物ではないけれど、本物として扱っても差し支えないようなもの”
という意味があるようです。
なので、別の例でいうと、「It was a virtual promise.」は、「断言できないけど、ほぼ間違いなく約束したも同然だった(約束したと考えても差し支えない)」という意味になるようです。
日本だけで生活する分には、ぶっちゃけ勘違いしたままで困ることはないと思いますけども、本来の英語の意味とは違う使い方してるってことは理解している方がよいのじゃないかと思います。
バーチャルYoutuberの日本と英語圏での意味は?
ここまでの内容を踏まえて、バーチャルYoutuberというコトバを日本での意味と、英語圏の人が捉える意味と考えてみたいと思います。
まず、日本でのバーチャルYoutuberというと、
仮想的な存在のYoutuber
って意味で使われていますよね。
続いて、英語圏の人がvirtual youtuberをどう捉えるかですが、
事実上の、本物として扱って差し支えない(実在する)Youtuber
という意味で認識されてしまいます。
仮想的なのか、実在するのかという解釈としては反対の意味になってしまうのが興味深いところです。
英語バーチャル(virtual)の誤訳が生まれた理由は?
リアトが個人的に、なぜにこのような歪(ひずみ)というか、誤訳が生まれたのか気になったので誤訳が生まれた歴史や理由を調べてみました。
どうして、日本で「virtual」が「仮想」と訳されるようになったかは諸説ありますが一説は、
2010年にアメリカのIBMがvirtual memoryを発表した時に、日本IBMのエンジニアが仮想記憶と訳して、それが広まってしまってvirtualの意味が仮想になった
と言われています。
そして、仮想記憶と訳した日本の方は”ものすごく後悔している”という話も笑。
ちなみに、バーチャルメモリーは、パソコン用語で物理的な記憶装置でなくて、仮想アドレスによって記憶領域を参照するシステムです。
本来は英語の意味では「実際のメモリじゃないけども、メモリとして扱っても差し支えないもの」的な意味で作られたコトバだと思いますが、日本で「仮想メモリ」っていわれるとなんというか、違った解釈になってしまいやすいのってなんというか面白いですね。
(番外)日本語がそのまま英語になったコトバまとめ
仮想メモリの経緯をみてると、
日本語を英語訳する場合にそのままのものがないので、日本語がそのまま英語で使われる
というパターンの逆パターンで、virtual memoryというカタカナ英語にしてもいいんじゃないかなぁって思いました。
ちなみに、気になったので、日本語がそのまま世界でも通用する日本語について代表的なものを並べてみました。
- Anime アニメ
- Manga マンガ
- Karaoke カラオケ
- Zen 善(ぜん)、海外では精神という意味かと
- Judo 柔道
- Katana カタナ
- Kawaii かわいい
- Otaku オタク
- sushi スシ
- ramen ラーメン
- soba ソバ
- tempura テンプラ
- wasabi ワサビ
実は、もっとたくさんありますが、「おー、これはそのまま世界でも通じるのか」って思っちゃいますね。
まとめ
バーチャル(virtual)の意味について、日本では仮想的という意味で考えてOKだが、英語圏の本来の意味は実質的なというニュアンスの意味ということを用例を踏まえて紹介しました。また、virtualの訳が仮想となった経緯や歴史も調べ、世界で通用する日本語もあわせて紹介しました。
バーチャル(virtual)の意味について、理解できた人は早速、知人に「バーチャルの意味って知ってる?」って話してみてくれると、まとめたリアトも喜びます。
本ブログでは、このようなリアトが気になったことも「調べてみた」シリーズで調べていきますので、このシリーズもどうぞご期待ください。オススメの「調べてみた」の記事もでき次第、この下にリンクで紹介します。
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